インタビュー
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東洋医学研究所での体験を生かし、科学的に考えて漢方薬の処方をします。
病気の治療に役立つ研究がしたかったことと、代々続く漢方薬局の家に育った影響で漢方薬の研究をしてきました。患者さまの状態をよく診てその方にあった漢方を処方し、症状を改善できるように治療を進めます。
医師になられた経緯について教えてください
明治から漢方薬局を営む家に生まれ育ったので、医療にも薬にも馴染みがあったことが大きく影響していると思います。
より具体的に医師の道を考えはじめたのは高校生の終わり頃でした。元々生物学やバイオテクノロジーに興味があったこと、また病気に作用する薬を科学的に研究したいという思いがあったことから病気や薬に深く携わる医師になろうと考えたんです。
東洋医学研究所で得たもの、また今それをどのように生かしていますか?
医師になり勤務医を経てから、近畿大学東洋医学研究所で生薬の薬理学研究に従事し、生薬の成分を抽出してどのような薬効があるのかという研究をおこなっていました。伝統的な東洋医学にもとづいた薬の処方は何千年にもわたる人類の経験を整理した統計学的手法といえますがサイエンスとはいえません。薬理学ではサイエンスとして生薬を扱います。
この時期に身につけたことは、科学的、論理的に思考したうえで漢方薬を構成処方するという今の診療方針に活かされています。
どのように診療を進めていますか?
アトピー性皮膚炎の症状で来院される患者さまが多いのですが、ステロイド薬を用いた治療をしなくてもよくなる状態を目標に漢方診療を進めていきます。これまでの経過や持病について伺い、内科的な診察と、腹診・脈診、舌診など漢方的な診察をおこないます。
診察をしたら漢方にもとづいた診断をさせていただき、純粋漢方生薬軟膏またはSOD軟膏(漢方生薬+ステロイド軟膏)など処方薬について説明します。大体の料金をお伝えし、必要に応じてアレルギーの血液検査をおこないます。そのほか、入浴の仕方や控えるべき食べ物、薬の使い方なども医師やスタッフからていねいにお伝えさせていただきます。
診療中に心がけていることを教えてください
漢方薬は量や使用する時期も重要なので、診察では患者さまをよく診てその方にあった薬を処方するように心がけています。
少ないとはいえ、お薬なので漢方薬にも副作用はあります。例えばアトピー性皮膚炎の患者さまが体を温める漢方薬を服用して赤みが強く出てしまうこともあります。このような副作用を抑えるためには、弁証とも呼ばれますが、患者さまそれぞれの体質を漢方的に分析して薬の種類や量を見きわめることが大切です。これには医師の経験や考え方も重要になります。